外向的な子の「あれもこれもやりたい!」内向型親が多様な興味に無理なく付き合うヒント
外向的な子どもの「あれもこれも」にどう寄り添うか
お子様が目を輝かせながら、新しい「好き」を次々と発見してくる。外向的なお子様をお持ちの親御様であれば、こうした状況に日々向き合っているかもしれません。恐竜、宇宙、特定のキャラクター、スポーツ、楽器、歴史... 子どもの興味の対象は多様で、一つのことに熱中したかと思えば、すぐに次の新しいものへと移っていくこともあります。
その探求心は素晴らしいものですが、内向型である親御様にとっては、その広がり続ける興味の全てに対応しようとすると、エネルギーが追いつかないと感じることもあるかもしれません。自分自身があまり知らない分野について質問されたり、一緒に活動することを求められたりするたびに、「どう関われば良いのだろう」「自分の知識や体力では難しい」と感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
全てに完璧に応える必要はありません
お子様の多様な興味に対して、親御様がその全てにおいて専門家である必要は全くありません。また、お子様と同じレベルで熱中したり、常に活動を共にしたりする必要もありません。大切なのは、お子様が「好き」を見つけたこと、そしてその探求を応援している姿勢を示すことです。
親御様のエネルギーや時間には限りがあります。無理に全てに応えようとすると、かえって疲弊し、お子様の興味そのものに対するネガティブな感情に繋がってしまう可能性も考えられます。まずは、「私は全てを知っているわけではないし、全てに付き添うことはできない」と自身に許可を与えてみることが、心の負担を軽減する第一歩になります。
無理なく子どもの興味に伴走するヒント
では、内向型である親御様が、ご自身のペースを保ちながら外向的なお子様の多様な興味に寄り添うためには、どのような方法があるでしょうか。いくつか具体的なヒントをご紹介します。
1. 「一緒に調べる」時間を設ける
お子様が新しい興味を持ったら、すぐに答えを教えるのではなく、「一緒に調べてみようか」と誘ってみましょう。図書館で関連する本を探したり、インターネットで信頼できる情報源を検索したりする時間を設けます。これは、親御様が全てを知っている必要がないことを示す良い機会となりますし、お子様にとっては情報収集のスキルを身につける一歩にもなります。親御様は、お子様が情報を見つけるのをサポートしたり、見つけた情報について質問したりする聞き役に徹することで、過度なエネルギーを使わずに済みます。
例えば、お子様が突然「電車の仕組みを知りたい!」と言い出したとします。親御様自身が電車に詳しくなくても、一緒に図書館で電車の図鑑や仕組みが載った本を探したり、安全な子ども向けサイトで動画を一緒に見たりする時間を作るのです。「へえ、こんな風になっているんだね」「この部分はなんていう名前だろう?」など、お子様の発見に共感する形で関わるだけでも、お子様は十分に満たされることがあります。
2. 体験キットや教材を活用する
お子様の興味に関連する体験キットや通信教育教材などを活用するのも有効な方法です。実験キット、プログラミング教材、特定分野に特化した学びセットなど、様々なものが市販されています。これらを活用すれば、親御様が直接教えたり、アクティブに動き回ったりすることなく、お子様自身が手を動かして学ぶ機会を提供できます。親御様は、教材の準備や片付けを手伝ったり、お子様が取り組んでいる様子を少し見守ったりする程度でも、十分な関わりとなるでしょう。
3. 関連イベントや場所に「短時間」だけ行く
お子様の興味に関連する博物館、科学館、イベントなどに足を運ぶことも、良い刺激になります。しかし、内向型の方にとって、人混みの中や普段と違う場所で長時間過ごすことは、エネルギーを消耗します。全てを見て回ろうと欲張らず、お子様が特に興味を持っている特定の展示やエリアに絞って短時間だけ訪れるように計画しましょう。滞在時間をあらかじめ決めておくことも、親御様の安心につながります。
4. 子どもの「発表」を聞く時間を作る
お子様が興味のあることについて話したがる時、親御様は良き聞き手になることに徹する時間を持ちましょう。お子様が調べたこと、発見したこと、感じたことを自由に話してもらい、親御様は相槌を打ったり、「それでどうなったの?」「もっと詳しく教えてくれる?」のように問いかけたりします。これは、お子様の表現力を育むだけでなく、親御様が深く踏み込むことなくお子様の興味を共有できる貴重な時間です。お子様が自分で作った作品やレポートなどを発表してもらう形式も良いでしょう。
5. 親自身の「好き」や得意なことで関わる
お子様の興味が必ずしも親御様の得意分野と一致するとは限りません。しかし、親御様ご自身の「好き」や得意なことを通じて、お子様の多様な興味の扉を開くことも可能です。例えば、親御様が絵を描くのが好きなら、お子様が興味を持った対象(動物、植物、乗り物など)を一緒に絵に描いてみる。音楽が好きなら、関連するテーマの曲を聴いてみる。読書が好きなら、そのテーマの物語や絵本を探して読んでみる。このように、親御様の得意なフィルターを通して、お子様の興味に少しだけ触れてみることで、親子の無理のない共通の楽しみが見つかることもあります。
まとめ:ペースを大切に、応援する姿勢を
外向的なお子様の多様な興味に全て応えようとすることは、内向型である親御様にとって大きな負担となり得ます。しかし、全てを完璧にこなす必要はありません。お子様が「好き」を見つけたこと自体を喜び、応援する姿勢を示しながら、ご紹介したような「一緒に調べる」「ツールを使う」「短時間で関わる」「聞き役に徹する」「自分の得意分野と繋げる」といった無理のない方法で寄り添うことが可能です。
親御様ご自身のエネルギーを大切にしながら、お子様の探求心に寄り添っていくペースを見つけてください。親子の関わり方は一つではありません。お互いを尊重し、それぞれのペースで、お子様の豊かな世界への扉を開いていくことを応援しています。