外向的な子どもの感情の大きな波、内向型親が落ち着いて向き合うためのヒント
外向的な子どもの感情表現にどう向き合うか
外向的な性質を持つお子様は、時にそのエネルギーの高さから、感情表現も豊かでダイナミックな場合があります。喜びや興奮を全身で表現することもあれば、思い通りにならない状況で強い不満や怒りを表すこともあります。内向型である親御様にとっては、お子様の感情の大きな波に圧倒されたり、その対応にエネルギーを大きく消耗してしまうと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
特に、予期せぬ場所や時間帯で感情が爆発してしまった場合、どうすれば良いか戸惑ってしまうこともあるでしょう。この感情の波に、内向型親が自身のペースを保ちながら、子どもの健全な感情発達をサポートするためのヒントをご紹介します。
子どもの感情を受け止める基本的な姿勢
お子様の感情が揺れ動いている時、まず大切なのは、その感情そのものを否定しない姿勢です。「どうしてそんなに怒るの」「泣かないの」といった言葉は、お子様にとって感情を抑えつけられているように感じられる可能性があります。
「〜な気持ちになったのね」「悔しかったね」のように、まずは感情に名前をつけて共感的に受け止めることから始めてみましょう。感情を受け止めることは、その感情を肯定することとは異なります。大切なのは、「どんな感情を抱いても大丈夫だよ、でも、その感情を行動に移すときに適切な方法があるんだよ」と伝えることです。
例えば、おもちゃを取られて怒っているお子様には、「おもちゃを取られちゃって、嫌な気持ちになったね」と寄り寄り添い、その後に「どうすれば良いか一緒に考えてみようね」と落ち着いた対応を促すといった関わり方が考えられます。
親自身のエネルギーを温存する工夫
お子様の強い感情表現に直面すると、親御様自身もストレスを感じたり、エネルギーが消耗したりしやすいものです。内向型親が冷静に対応するためには、自身の心身のコンディションを整えることも非常に重要です。
- 短い休憩を取り入れる: 子どもが安全な場所で遊んでいる間や、感情の波が少し落ち着いたタイミングで、数分間目を閉じて深呼吸をする、窓の外を眺めるといった短い休憩を取り入れてみてください。物理的に少し離れるだけでも、気持ちを切り替えられる場合があります。
- 感情の「波」の予兆に気づく: お子様が疲れていたり、空腹だったり、特定の状況(例えば、人混みや慣れない場所)にいるときに感情が不安定になりやすいなど、パターンがあるかもしれません。こうした予兆に早めに気づくことで、大きな波になる前に対応を考えたり、状況を避けたりする準備ができます。
- 頼れる人に相談する: パートナー、家族、友人など、信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。また、保育士さんやスクールカウンセラーなど、専門家の視点からのアドバイスも非常に参考になります。
感情の波への具体的な対応例
お子様が強い感情を表している最中は、必ずしも論理的な説明や問いかけが効果的とは限りません。
- 安全な場所へ移動する: 可能であれば、人目を気にせずお子様が感情を出せる場所へ移動しましょう。家の中であれば、落ち着ける部屋やスペースに誘導することも有効です。
- クールダウンを促す: 「少し落ち着こうか」「静かな場所で深呼吸してみようか」などと優しく声をかけ、クールダウンを促します。抱きしめたり、背中をさすったりといった身体的な安心感を与えることも有効な場合がありますが、お子様のその時の状態に合わせて行いましょう。
- 別の活動へ誘導する: 感情が落ち着いてきたら、お子様が好きな遊びや活動に誘ってみるのも良い方法です。気分転換になり、ネガティブな感情から意識をそらす手助けとなります。
- 肯定的な側面にも目を向ける: 感情の大きな波だけでなく、お子様の豊かな感情表現のポジティブな側面にも意識を向けてみてください。嬉しさや楽しさを全身で表現できることは、その子の魅力でもあります。そうした良い感情を共有し、一緒に喜ぶ経験を重ねることも、お子様が感情を豊かに表現することへの肯定感を育みます。
まとめ
外向的なお子様の感情の大きな波に向き合うことは、内向型親御様にとって時に挑戦的に感じられるかもしれません。しかし、大切なのは完璧な対応を目指すことではなく、お子様の感情を受け止めつつ、親御様自身も無理なく関われるバランスを見つけることです。
お子様は感情の調整方法を学びながら成長していきます。その過程を、親御様自身のペースを守りながら、共に歩んでいく意識が重要です。どうぞご自身を責めすぎず、一つずつ試せることから実践してみてください。